decchy: 2008年11月アーカイブ

 随分日が空いてしまいたが、今月はBlogの記事にしていませんが、海外出張が会ったこともあり、
他の月よりも多くの本を読んでおりました。

 以下、前回のエントリーの後に、読み終わった本のタイトルを備忘とアウトプットを怠ったことへの自戒を込め
記しておきます。


  • スパークする思考 
  • 鹿男あをによし 
  • イノセント・ゲリラの祝祭 
  • パチンコの経済学 
  • 蛇行する川のほとり 
  • トップ・レフト 
  • 巨大投資銀行(上)(下)
  • M&Aファイナンス 
  • 鴨川ホルモー
  • ホルモー六景 
  • 魔王
  • モダンタイムズ 
  • ブランド再生工場 
  • ホテル戦争 
  • 容疑者Xの献身
年末までバタバタした日が続きそうなのですが、どれも興味深いものが多かったので、折を見て書評はかいていきたいと思います。
もっとも、コミックを含めると20冊以上に部屋の中に書籍が増えている関係上、年末に向けては物理的な整理の方が大事になりそうですが・・・。

 およそ半年ぶりに「本が好き!」から献本をいただいた一冊。久しぶりにノウハウ本を読みたくなった際に献本の案内が来ていたので、応募しました。

 著者の丸山さんは司法書士を行いつつ、企業サポートのコンサルティングを行っておりますが、本書はその著者が実践しているノウハウを中心に、企業家が成功するにはどうしたらいいかがまとめられております。

 本書を読んでの印象は、著者の考え方は非常にシンプルに構成されているということ。

 具体的に言うと、基本的に著者が考える成功するための条件は2点

(1)インプットとアウトプットを効率的に行えるかということ

(2)物事を効率的に組み合わせられるか

ということに集約しております。(要は「生産性の向上」です。)

実際、各章では、テーマである「勉強法」「読書法」「人脈づくり」「アイデア発想法」「目標達成術」「モチベーションアップ術」について上記の2つの条件から具体的にどうしたらいいかのノウハウが述べられているわけですが、総論としては非常に納得できる内容となっております。

 例えば、本書第4章「成功する企業家のアイデア発想法はこうなっている!」で書かれている「アイデアの組み合わせ力」の話がそれに当てはまります。

 P125において著者は

  • (知識を)組み合わせて独自の情報・知識に変換してアウトプットする
  • インプットした知識に自分自身の実践例を交えて、独自の情報・知識に変換してアウトプットする

 といった手法により情報を加工することの大切さを説いておりますが、上記の内容は個人的にも非常に大事にしている点ですが、ジェームス・W・ヤングの名著「アイデアのつくり方」にも通じており、非常に納得感がありました。

 ただ、本書については2点欠点があります。それは、「成功」の定義があいまいであることと、各章の具体例が説得力のないことです。とりわけ前者がはっきりしないのが問題だと個人的には感じております。

 わかりやすい対比例として勝間本の代表でもある「年収10倍アップシリーズ」(*1)が挙げられます。この場合の成功基準は明らかに「年収10倍」(現在の新卒の基準だと年収4000万円位?)とうたっているので、成功のイメージが掴みやすいと思います。

*1 「無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法」「無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法

 一方本書だと、正直、著者の考えている成功基準が分かりません。年収なのか、事業規模なのか、敬意を払われる存在なのか、生き延びることなのか・・・成功に対しての定義付けがないと、本書の言葉が説得力を帯びてこないというのが率直な印象。 このあたりは著者だけでなく編集者のスキルの問題でしょうが、残念でなりません。

 結論としては、献本でいただいておいてという所ですが、本書に関しては「書籍としての文章には期待せず、目次で気になった項目だけ読み、実践してみる」位のショーケース的なスタンスで読むのがちょうどいいのでは、といったところでした。

 期待していただけにがっかりさせられた一冊でした。


成功する起業家の「非・常識」勉強法
Amazonで購入
書評/ビジネス
 はじめてW・チャン・キムのブルー・オーシャン戦略の本を読んだのは2005年の秋でした。(社会人三年目の秋、札幌に行く前に寄った浜松町の駅ビルの書店で見かけて購入したはず。)レッド・オーシャンバリバリの通信業界にいた身としては非常に新鮮かつ重要な概念だと感じてましたが、反面、中々使う機会がない概念でした。
 
 その後言葉の響きの良さもあったのか、ブルーオーシャン戦略という言葉は一般的になり、また、仕事の打合せでも聴かれるようになって来ましたが、今回、改めて頭の整理ということで、本書を購入しました。

 本書では、ブルーオーシャン戦略の本質を「バリュー・イノベーション」「ティッピング・ポイント・リーダーシップ」「フェア・プロセス」の3点と位置づけ、各ポイントについて、事例を交えながら解説がなされており、本家のお墨付きを受けた著者がまとめた書籍だけあり、非常によくまとまっております。

 本書の読み終わっての大きな特徴は、ブルーオーシャン戦略のフレームワークが整理されていること、及び、実行プロセスにまで落とし込まれていることの2点。

 特に印象的なのが後者の「実行」の部分。その分かりやすさゆえ、安易に用いられ机上の空論的に集約されがちな概念について、いかにして実効性を担保するかが大事だと明確に述べている点で非常に印象的です。

 一方で残念な点が2点。一点目は、フレームワークがきちんと整理されている反面、各フレームワークごとに注意するポイントがあまりに多すぎること。(合計で20-30あり、正直覚えきれません。)もちろん、上記の3つの本質を軸に覚えていけばいいと思っているのですが、このあたりはもう少し工夫できなかったのかと思います。
 
 そして、もう一点は、ブルーオーシャンの成功例のなかに、いくつか既にレッドドオーシャンに突入し苦戦しているものがあったのですが、ブルーオーシャンを享受しているものとの相違や、対応策についての示唆が不足していること。当初の「ブルーオーシャン戦略」の出版から3年以上が経過し、ブルーオーシャンという概念が一般的になってきた現時点において必要とされるのはその先の話だと思いますので、このあたりについてはもう少し言及が欲しかったと思います。

 とはいえ、本当によくまとまっており、入門本としては最適な一冊です。

Profile

HN:decchy
大手通信会社でエンジニア・営業経験を積んだ後、IT系ベンチャー企業に転職、 営業・企画・PR等を行うマネージャー業務を担当し、 2008年の東京インタラクティブ・アド・アワードに入賞する等の実績を残す。
現在はプライベートエクイティに転職し、投資業務並びに経営支援、新規事業開発支援業務に従事中。

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