ビジネス: 2010年1月アーカイブ

 フラガールには呪いがあるのかもしれない・・・と思うようなニュース。

YOMIURI ONLINE:「フラガール」制作のシネカノン、再生法適用申請

 大企業の独壇場となっている映画産業においてに再現性のある成功モデルを作ることが出来なかった上に、不況下において財布のヒモが固くなっている中で一人1800円出してみる映画としてミニシアター系の映画を選ばれなくなってきたんだろうというのが個人的に思ったところ。(事実、自分が見に行っている映画もメジャー作品ばかりになってますし。) 

 昨年8月のムービーアイ社の破産に引き続き、といったところですが、今後も単館系の映画に関しては厳しい流れが続いてくるでしょう。

 個人的には、ライフ・イズ・ビューティフルやノーマンズ・ランドといった名作(どちらも先行して閉館となった旧シネ・アミューズで見た映画でしたが)やFishmansのTHE LONG SEASON REVUE等を見た思い入れのある映画館なんで少し寂しいですが、仕方のないことでしょう。(そういえば、「いま、会いにゆきます」もシネ・アミューズで見たんだっけなあ)

 一方、そういった厳しい単館系シアターのビジネスモデルで個人的に注目しているのは、アニメ映画の単館上映。先週公開されたFateも一館あたりのアベレージが約300万円と通常の映画に比べ高くなっている模様。

 市場規模が限られているのであまり館数が増やせない上、参入プレイヤーが増えてきており状態になっているのが気になっているところではありますが、この一年位はその流れが続いてくるでしょう。

 経済産業省が、アニメ・ゲームの海外展開の支援を検討しているとのこと。

参照(YOMIURI ONLINE):アニメ・ゲームの海外展開、経産省が支援検討

 パッと読んで思ったのは、過去の失敗を繰り返しそうな印象だということ。

 具体的な支援策として、(1)制作費を負担するファンドを官民で創設 (2)インターネットを使ったコンテンツの流通網を整備の2点が挙げられていますが、それなりにこの業界に浸かっている身としては、微妙すぎる印象を受けます。

 まず、(1)については、JDC信託等で失敗したモデルを再びやるのかという疑問が浮かびます。現在のアニメの製作委員会方式は元本回収を目指すのではなく(もちろん、DVDが売れて回収できるにこしたことはないけれども)「みんな各々のビジネスでリクープするために制作費を応分で負担しよう」というようなビジネスモデルであることを思うと、リスクだけ背負ってどうするのかという所。

 また、(2)のインターネットを使ったコンテンツ流通網の整備ですが、実際にCrunchyroll等が合法サービスとして展開している上に、中国系の映像共有サービスが色々と展開されてしまっている状況であり、いまさら1から流通網を整備する意味は薄いでしょう。

  じゃあ、どうすればいいのか?といった点になるんですが、まずはある程度の規模でいい作品を作れる会社を複数社国内で育てることから始めるべきだと思っております。ひとつひとつがあたるあたらないのギャンブルに近い「作品」に目を向けるのではなく、その土台となるコンテンツ企業の会社としての土台を築く方がよほど長期的に見て意義のあることとなるでしょう。

 何はともあれ、検討会などの公聴会があったら出てみたいものです。

 KDDIがJCOMの筆頭株主になるというニュースを聞いて思ったことを。

参考(ロイター):KDDIがジュピターに37.8%出資へ、同社として過去最大の買収

  また、KDDI独自として思ったのは、独自路線からの撤退。これは非常に正しい戦略だと感じております。

 これまでKDDIは電力系の通信事業者を傘下に収めることで独自のインフラを獲得し、その上でトリプルプレイと言われるサービスを提供しようとしてきました。しかし、営業力と網羅性に欠けるのか、顧客獲得競争に成功していたとは言い難い状況でした。

 この点、Yahoo!BBは光については表では開放政策を唱えつつも、裏ではフレッツのインフラを有効活用し、一方で、トリプルプレイの一つである映像サービスについてはYahoo!のサービスを提供する形でクリアしていました。(Gyao!を買収したのは、USENの財務的な事情によることが大きいと思うので、ここでは触れません)

 一方、J:COMは自前のインフラを持っている上、地域に根づいた(もっとも、CATVはエリアごとに独占状態ですが)ドブ板営業の下、トリプルプレイサービスの提供を推進し、高いARPUを得ておりました。(J:CPMのARPU等については同社のIR資料を参照してもらうと面白いと思います。)

 そういった状況を鑑みると、KDDIにとっては2つのメリットがあります。

 まずは、インフラの整備をしなくてもいいということ。auひかりのサービスを縮小し、代わりにJ:COMのサービスを売り込めばいいので、これはメリットになります。

 また、J:COMの営業網を使ってauの端末を売ることにも大きなメリットとなります。これは、J:COMにとってもメリットがあります。

 現在、J:COMではMVNOの形式でWillcom端末を販売しておりますが、御存知の通り同社がエライこっちゃな状況であることを鑑みると、他に売れる商材が欲しいことが予想されます。そこにおいて、auの端末を売れることはメリットになるでしょう。(WillcomよりARPUも高いでしょうし)

 そういったことを考えると、現状予定されている37.8%の出資比率は子会社できる比率まで引き上げられて行くのではないでしょうか?

 また、それ以外に思ったのは、通信事業者のインフラLayerとコンテンツLayerの区分がはっきりできたという印象。今回の資本提携により

  • NTT・・・ひかりTV
  • KDDI・・・J:COM
  • ソフトバンク・・・Yahoo!/Gyao!

 という組み合わせがFIXしたわけですが、このことによるコンテンツLayerへの影響がどうなってくるか、正直、分からない部分が多いのですが、とりあえず注目しておきたいところではあります。

 それにしても、FAはもうかっただろうなあ。

 年明け一発目のエントリーは、以前紹介した書籍として流通させたくるりとユーミンのコラボソング「シャツを洗えば」の売れ行きについて。

 結論から言うと、AmazonやPOSデータの売れ行きをみていると、Amazonや楽天ブックスのようなネットショップやタワーレコードのような専門店での売れ行きは堅調だった一方で、紀伊国屋のような通常書店ではそれほど売れていない結果が出ている模様です。(紀伊国屋のPOSをみても、非常に厳しい結果が出ております。)

 また、近所のTSUTAYAを定点観測していたところでも、書籍エリアにおいてある商品はあまり回転していない様子でした。

 その原因を数店舗のリアル書店を回ってみて考えたところは、どのエリアに置けばいいのかが難しいということ。新宿の紀伊国屋では芸能人の写真集たエッセイがあるコーナーにありましたし、馬事公苑のTSUTAYA(ここはスタバが併設されているので、非常に使い勝手がいいのです)では音楽雑誌のコーナーにありました。(芸能人のエッセイなどのエリアにはありませんでした)

 このスペースの問題については、やはり同ジャンルの書籍が固まってこないと難しいところでしょう。加え、流通の時点でより細かく配本を考えていく取り組みが求められるでしょう。

 もう一つのポイントはサイズの問題か。今回の「シャツを洗えば」は、パートワークやムックと同形式のA4サイズで発売されておりましたが、ある程度長期的においてもらうために通常の書籍と同じサイズにしてしまうのもありかもしれません。

 いずれにせよ、新しい取り組みに試行錯誤はつきもの。今後も同様の取り組みがなされることを期待してやみません。

 

 

Profile

HN:decchy
大手通信会社でエンジニア・営業経験を積んだ後、IT系ベンチャー企業に転職、 営業・企画・PR等を行うマネージャー業務を担当し、 2008年の東京インタラクティブ・アド・アワードに入賞する等の実績を残す。
現在はプライベートエクイティに転職し、投資業務並びに経営支援、新規事業開発支援業務に従事中。

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