書評・レビュー: 2009年7月アーカイブ
今年の年初に読んだTENGU以来柴田哲孝さんの本を読もうと思っていました。その中で本書をチョイスした理由は2つ。モーニングで連載されちょうど単行本が発売されたBILLY BATの題材が「下山事件」だったことと、昔習ったりしたけれどもよく事件のことは知らないないので、少しは勉強しておこうという所があったこと。
本書はジャーナリストである著者が叔母から「自分の祖父が下山事件に関わっていたかもしれない」と聞かされたことをきっかけに、文献と関係者、及び先人達へのヒアリングなどから独自の推理を展開しております。
Amazonのレビューを見ると、単行本で発売された内容からの加筆が多すぎるという批判や、信用性の乏しい証言から主観的に論理を組み立てているといったような批判がありますが、個人的には、戦後最大の謎とも言われる事件が網羅的、且つ、臨場感をもった形で解説されており、非常に興味を持って読むことができました。(年初から戦前、戦後の歴史人たちの話を読んでいたことが事件の背景にある時代背景の理解の助けとなったことも幸いしました・・・予備知識がないと読みにくい部分がある印象です。)
とりわけ事件に深く関わっているとされる亜細亜産業の矢板玄氏へのインタビューの下りは読んでいて非常に刺激的であり、ページをめくるスピードが早くなりました。
最終的に実行の中心となったと著者が推理する人物は意外といえば意外な人であり、実際の実行者かどうかはわかりませんが、他の書籍やBILLY BATとも読み比べたくなる話でありました。