グローバル・アントレプレナーシップ・ウィーク初日:「日本の起業家精神の展望:アントレプレナー=チェンジ・エージェント~進取の気性が社会を変える、世界を変える」
政策研究大学院大学(GRIPS)とグローバル・イノベーション・アントレプレナーシップインスティチュート(GIEI)と本田財団による共催イベントであるグローバル・アントレプレナーシップ・ウィークの初日セミナーに招待され、参加してきました。
その中でも、14時からのセッション「ピーター・ドラッカーと社会的企業」の基調講演として行われた野中郁次郎先生による「ドラッカーが考えたイノベーションとその社会的意義」が非常に面白かったので、備忘のために簡単に内容を。
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- イノベーションとは何か?
変化or偶然を機会としてとらえること。その手法としては、全体が最初にあり、部分に分解する演繹的手法ではなく、ミクロの動きの中から全体を編み出すという帰納法的手法をとる。
- イノベーションを見つけ出す7つの機会とは何か?
-予期せぬ成功と失敗、出来事を利用する
-現実と理想とのギャップを探す
-具体的な必要性(ニーズ)を見つける
-産業と市場構造の変化を知る。
-人口構造の変化に着目する
-認識の変化をとらえる。
-新しい知識を共有する。
ただし、知識の共有によるイノベーションの発見は、「リードタイムが長い」「要因分析、戦略、マネジメントが発生する」「信頼性は低く、成果は測定しにくい」という特徴がある。
また、イノベーションの発見においては、「分析」を重視しつつ、直観の重要性を認識することが大事であり、組織、システムを分析するのにより重点を置く。
- ドラッガーは「見るために生まれ、物見の役を仰せつけられし者」
ドラッガーは、予測ではなく、観察する傍観者の立場であり、徹底的に新しい解釈を生み出す。(自らの「プリズム」を持ち、コンセプトを提示するという「作法をとっていた。」)
- ドラッガーのすごみ
徹底して形式知を追及し、その連結により個別具体の事例から普遍の本質をつかむ能力。また、その裏には歴史・英文学など字への幅広い知見があった。
- ドラッガーの「強み」「弱み」
強み:追体験と分析を通じた原理と方法を体系化し、明確に提示する力。
弱み:観察者としての立場を崩さない。暗黙知を重視しない。具体的な方法論にとどまり、理論化しないという特徴。
- 形式知と暗黙知とは?
暗黙知とは、主観であり、フローである。一方、形式知は客観であり、ストックである。なお、知識創造は暗黙知と形式知の相互変換運動となっている。
- 知識想像の根幹とは?
アリストテレスのいうフロネシスという概念が根幹にある。フロネシスとは「賢慮」のような概念。
- 賢慮型リーダーシップの6能力
-善い目的をつくる
-場をタイムリーに創発させる
-アクチュアリティ(リアルよりより現実に即した現実)を直観する
-本質直感を概念に変換する
-概念を結晶化する
-賢慮を組織化する能力
その一例が本田宗一郎氏の「対象に住みこむ」「ことばを磨く」といった能力。
- 賢慮型リーダの基盤となるもの
-教養
-至高経験
-実践と伝統
- ドラッガーと本田さんの比較
ドラッガーーの教養は「あくなき形式知の追及」であり、本田さんは「あくなき経験知の追及(三現主義)」である。ただ、本質の追求というのがいずれも大事だった。
(イノベーションの話に戻って)
- イノベーションとは技術というよりも経済や社会にかかわる用語であり、常識の非常識化である。
- イノベーションと起業家精神が当たり前に存在し、常に継続していく起業化社会が必要。
- そういった資質を持ちうる「知的体育会系(野蛮人)」たることが必要
- 成功するかは分からないが、それがコミュニティにとって糧になるエコシステムとなっていく。
- そして、イノベーションは「勇気と愛」から生まれる…それがドラっガーに学んだこと。
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その他のセッションも個別で色々と興味深い話があったのですが、それは別途まとめようと思います。
なお、上記セッションの内容に興味をもたれた方は、イノベーション25戦略会議における野中先生の発表資料を読むとまた面白いと思いますので、参考にしていただければ幸いです。合わせ、下記に挙げた著書を読むと、一層理解が深まると思われますので、ぜひお試しを。
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