2009年3月アーカイブ
「常識」破りの戦術でヒット作を量産し、地位を築き上げた幻冬舎。本書は、その幻冬舎の社長でありカリスマ編集者でもある見城徹氏が、作家、編集者、出版社の3つの立場から、いかにして作家との関係を構築し、作品を作り上げていったかが書かれている一作。
読み終わっての感じたのは、感情を読み取る感覚の鋭さです。強烈な自意識とコンプレックスから生じている鋭さではないかと思われますが、その鋭さこそが作家と対峙した際に、作家の心の内にあるテーマを突き刺し、表現に向かわせているのではないかと思われます。
中上健次、村上龍、石原慎太郎といった作家や、尾崎豊、坂本龍一等のミュージシャンとの間のエピソードは、どれも非常に濃厚なものです。そして、その濃厚さは見城徹という編集者が、いかに深層心理の深くにもぐり、核心を鋭さで貫こうとしているからに他ならないのかもしれません。
そして、その鋭さは読み手についても覚悟を問いかけているような気がします。仕事への向き合い方、自分への向き合い方等、考えさせられる一冊で、気合を入れなおさせられます。
現在、UQコミュニケーションズのモニターとしてWiMAXを試しており、都内各所で接続を行っております。丸の内や赤坂といった中心部および、世田谷区あたりでは安定して3Mbps程度の下り速度がでており、なかなか快適です。
そんな中、以前のブログで言及していた家庭用のゲートウェイセットのモニターキャンペーンが始まるとのこと。
残念ながら既存のモニターは応募できないとのことなので利用してみることはできませんが、これさえあればBフレッツもいらなくなり、コストも月1500円程度は安くなった上でモバイル環境も整備できることになると思いますので、ぜひ定期的に利用者の動向等を確認しておきたいと思います。
週刊プレジデント2009.2.2号「勝ち残る人が読む本 落ちる人の本」で紹介されていた1990年に出版されたビジネス書です。
著者であるヤン・カールセンは最前線にいる従業員が顧客と接する最初の15秒間にわたる接客時間を「真実の瞬間」と呼びます。顧客が会社に対して抱く印象を決めてしまう重要な時間であることから呼んだ言葉ですが、本書はそのヤン・カールセンがいかにして複数の企業を変革に導いていったか、何が重要な要因であるかと言ったことが、スカンジナビア航空での経験を中心として書かれております。
1981年、ヤン・カールソンは経営危機に陥っていたスカンジナビア航空の社長に就任し、わずか一年で会社を黒字化し、3年後には会社を『エア・トランスポート・ワールド』誌が選ぶ年間最優秀航空会社に導きます。市場の転換期においてビジネスユーザをフォーカスするターゲットとし、その戦略に合致する形で顧客本位的な企業にスカンジナビア航空をを作り変えていきます。
彼は、ビジネスユーザ向けの「ユーロクラス」を新設したり、乗り継ぎをスムーズにするようにゲートを調整したりすることでビジネスユーザの利便性を高める反面、一般的で有効だけれどもビジネスユーザの利益に合致しない戦略を不採用としていきます。
さらに彼は、ビジネスユーザを満足させるためのソフト面の向上のために現場に権限を委譲します。その上で、試行錯誤しながら、中間管理職の立場を「経営者の方針にそって形で現場従業員が業務を行うことサポーター」に変化させていきます。
これらの戦略はそれこそビジネス書で色々と書かれているような当たり前のことかもしれません。ただ、だからこそ、自らの反省を含めつつも戦略を実行に移せたという点が非常に印象的に感じるとともに、自らの仕事がいい『真実の瞬間』にあたるかを常に考え直させられる一冊でした。
本田宗一郎とのコンビで本田技研を世界のHONDAに育て上げた名経営者藤沢武夫さんが語りおろした経営論です。
本書を大きく分類すると2つの内容に分けられます。
一つ目は小さな工場から出発し、ホンダが大企業となっていくまでが中心で述べられている半生で、もう一つが、経営者としての日々の中からどのような考えの下で行動し、経営者として鍛えられたかという経験に即した経営論ですが、どちらの内容も非常に充実していていました。
戦後の混乱の時代に誕生した町工場が試行錯誤を繰り返しつつ、大企業に成長していく過程は純粋な成功ストーリーとして、読み応えがあり、ワクワクさせられます。
また、経営論の部分についても、「たて糸を編む」「たいまつは自分で持つ」といった独自の言葉を使ってまとめられておりますが、経験に裏打ちされた内容であるだけに、わかりやすく、また重く感じられます。
とりわけ本書を通じ繰り返し書かれている「たて糸をあむ」という表現は、「万物流転のさだめ」にあらがい、企業が存続し続し続けるための根幹として非常に含蓄にあふれておりました。
そして、なにより心にしみるのがP226から書かれている「二十五年目の幸せな別れ」のくだり。経営の一線から引退する際のエピソードですが、「だれかの鞄持ちをして、なんとかその無名の人の持っている才能をフルに生かしてあげたい」という夢が最終的に結実した万感の思いが伝わる、非常に心に残る内容でした。
名経営者としての思想を知るという点でも、天才エンジニアに仕えた世界一の鞄持ちの人生を感じるという意味でも必読の一冊です。
本書は、「岳物語」から連なる椎名誠の私小説です。
中学受験を経験している30前後の人間の多くが触れたことがあると思われるベストセラーの出版から25年、四半期という長い時間を経た作品です。
ストーリとしては、「サンフランシスコ」「八丈島「沖縄」「奥会津」「北海道」等の旅を続けつつ、周囲が変化していることについて思索する日常が綴られているのですが、文章全体に一つのテーマが感じられます。
前々作の「春画」では母親の死であり、前作の「かえっていく場所」では妻の更年期障害だったテーマですが、本作のテーマは、同年代の人達の死と衰えではないかと感じられました。
ときおり繰り広げられる祖父と孫との会話に心を和まされる瞬間はあるのですが、それ以上に感じるのが、友人の妻や別のカメラマンの友人の死に関するエピソード等に代表される、同年代の人達の死と衰えが本作からは感じられました。
自分の両親よりも少し年上の世代の人々のエピソードではあるのですが、「父親」が少しずつ老いていっているということを、しみじみと考えされられます。
5月には続編も出るよう予定です。おぼろげながら感じられる「大きな約束」の意味を知るとともに、四半期以上にわたる一つの人生を体感すという点で、必読だと思っております。
予告編で気になっていたトム・クルーズの最新作「ワルキューレ」を観にいってきました。
祖国のことを考えた将校らによるヒトラーの暗殺計画に関する話で、事実を元に構成された映画です。(元となったワルキューレ作戦についてはWikipedia等を参照ください。)
事実として暗殺計画は失敗に終わっていると知っているだけに、トム・クルーズが演じるシュタウフェンベルク大佐による暗殺実行から、失敗に終わるまでの経過については手に汗握る展開となっております。
他方、事実をベースにしているから仕方がない部分があるかとは思いますが、ストーリーの前半部分の反面暗殺が実行に移されるまでの経過については、やや冗長すぎる印象を受けました。(事実、眠くなる瞬間が何度かありました。)
また、あくまで暗殺実行サイドから描かれているおり、暗殺実行直後からのヒトラーサイドの動きについて描かれていない点について消化不良な印象も受けました。(特に実行直後から作戦の発動がなされるまでの3時間程度の間、何がなされたのか、後日談的な描き方でも知りたいと思わされました・・・もっとも、ナチスサイドからの描き方は政治的にも難しいのかもしれませんが)
非常に興味深い題材だったのですが、結論としてはおススメできるレベルではないという所でした。
先日購入したiPod Shuffleが届きました。
第一印象は、やはり予想以上に小さいということ。
画像(1):ケースをいれてもこのサイズ

iPod Shuffle posted by (C)でっち
画像(2):大きさ比較

サイズ比較 posted by (C)でっち
次に使ってみての印象ですが、リモコンとイヤホンが一体化しているるため、他のヘッドフォンが使えないのは少々残念です。また、操作をするリモコン部がイヤホンから10センチ程度の位置にあるため、少々操作しにくい印象も受けます。
また、早速音声案内機能Voice Overも使ってみました。こちらは思ったより聞き取りにくいです。ストレイテナー等はアーティスト名が聞き取れませんでした。また、リモコンがイヤホンと一体化しているので大勢で楽しむことはできないでしょう。
もっとも、これらの点は主に利用を想定しているランニングの最中などは気にならない所だとは思いますので、まずは、積極的に使ってみたいと思います。
昨日、仕事帰りに「DRAGONBALL EVOLUTION」をみてきました。
公開初日の20時の回、新宿バルト9の客の入りは2-3割程度。予想以上にガラガラ、違う意味でもドキドキでした。
そして、肝心の内容。(ネタばれがありますので、気をつけてください)
各種映画情報や予告編による「孫悟空がアメリカの高校生」であるという情報や鳥山明先生の「映画は別物」というエクスキューズ等を見ていたので、多少のことは驚かないと思ってました。
ただ、開始数秒、冒頭のナレーションからその予想は裏切られました。
「今から2000年前、ピッコロとOzaru(大猿)が日本を滅ぼそうとして・・・」
言葉にすると普通に思えますが(いや、あの猿はピッコロの手下じゃないだろという原作との矛盾は別です。)実際は、英語で「Ozaru」って言っていってます。なんで、そこは日本語なの?この時点からDragonballワールドに引き込まれます。その後もツッコミどころが満載。
ただ、特にその中でも秀逸だったのが、アメリカの思春期の高校生になっている孫悟空の描き方。
- 授業中、胸の大きな女子に見とれる。
- 彼女にパーティーに誘われ整髪剤でリーゼントに決める。
- 5本のロウソクに火をつけるカメハメ波の修行がうまくいかず、ズルをしようとする。
- さらに、彼女に「ロウソクに火をつけるごとに私に、近づいてもいいわよ」と言われると急に成功する。
- 最終的には3本同時に成功し、キスに持ち込む。
世界の破滅の危機を救える主人公とは思えない数々の行動です。漫画の悟空とは違ったところに尻尾があると思われます。
その他にも、
- カメハメ波を心臓マッサージに使う。
- 大猿に変身した孫悟空が根性で人間の姿に戻る。
- 孫悟空がきちんとカメハメ波を打てたのは一回だけ。
- しかも、打った後、本人が飛んでおり、界王拳に思われる。
と言い出したらキリがありません。中途半端に原作を意識している上に、観る側がある程度ストーリーを補正してしまうため、粗さが目立ちます。どうやったらここまで雑になるんだろうと思うくらいの描写。
そして、ストーリーとして一番の驚きは
- ドラゴンボールを冒険し、探したのは一個だけ
ということ。あとは誰かが元々持っていたか(亀仙人の家の中とか)、敵のピッコロが集めたものです。二週間前に似たような映画を見た気がしたのですが、スケールが違いました。他人任せにも程があります。
そして、最後まで驚きが残されてました。悟空とチチのラブコメ風格闘シーンで浜崎あゆみの主題歌とともにエンドロールが流れ、終わるかと思われた後のことでした。
悟空にやられたと思ったピッコロが生きており、しかも、冒頭に近いシーンでドラゴンボールを奪った相手である女性(「アヒルと鴨のコインロッカー」のヒロインの関めぐみ)に看病されるという続編を意識させるようなプロローグがそこには残されておりました。まさかのサプライズにも程があります。
ただ、ひとつこの映画は教えてくれます。
それは映画館は映画を見終わってからも映画だということ。映画終了後、見に行った4名で居酒屋に言ったのですが、話が盛り上がること盛り上がること。(おかげで今日、のどが痛いです)そういった話題の共有も含め、映画は楽しむべきなんだろうなあと思わされました。
ある意味見る価値のある映画です。
ただ、ドラゴンボールを観たことがない女の子を誘って見に行くことはしてはいけません。完全に彼女は置いてけぼりになってしまいます。映画に誘いたい女の子がいる場合には、素直にレッドクリフまで待つのが得策でしょう。
本日、販売が開始されたiPod Shuffleを早速購入してしまいました。
一番初めに購入したiPodは初代i Pod miniで、それから数えると実に4代目のiPodになります。
サイズが半分で重さも10.7gとなったことで最近再開しているジョギングに便利だろうということや声で楽曲情報を教えてくれるVoice Over機能(イントロクイズにも使えそう1?)等の特徴もありますが、単純に一目ぼれしてしまいました。
で、ここで気がついたのが一番初めに買ったiPod miniと容量が同じだということ。しかも値段は3分の1。フラッシュメモリがムーアの法則のごとく安くなっていくことを改めて感じます。
現時点での到着予定は2009/03/23 - 2009/03/25とのこと。3-5営業日で出荷予定となっている表示とは一致していないのですが、今から楽しみで仕方がありません。
ちょうど春になることもあるので、新しいiPod Shuffleをつけて皇居でも走ってみようかと思います。
言わずとしれたホリエモンの新著。「ライブドア事件」に関する出来事を中心に、彼の立場から語った「事実」や彼自身が今現在思っていることが述べられております。
個人的には、ライブドアのNo.2であった宮内被告の「虚構 堀江と私とライブドア」と堀江さんの後にライブドアの社長となった平松さんの「僕がライブドアの社長になった理由」は読んでいたので、記憶を呼び戻しつつ、読み比べるというスタンスで読みました。
拘置所での生活や検察とのやり取り、また、現在の心境を綴っている部分は結構面白いです。
ただ、個人的に一番関心があったライブドア事件に対する彼自身の認識や意見は「まあ、そう考えているだろうなあ」という程度の印象しか受けず、読み応えがなく、拍子抜けしました。(もっとも、ブログを読む限り彼の主張は一貫してぶれていないので、予想通りの主張になるのは当たり前なのですが。)
結論から言うと、そこまで読むべき内容がある本ではありませんでした。正直、彼のブログを読む方がよっぽど面白いです。
鹿男あをによしや鴨川ホルモーの著者、万城目学の新作長編小説。奈良・京都と続いた次の物語の舞台は大阪です。
調査のため大阪を訪れた3人の会計検査院の調査官と、大阪に住む二人の中学生。一見、関わりがないように思われる二つの物語が、大阪の持つある因縁によって結び付けられていくというストーリー。
結論から言うと、これはホントに面白い一冊です。
過去の作品同様、一見、荒唐無稽に思われるストーリーが本作でも展開されます。しかし、それに対し、地名や建築物などの現実世界のディテールを加えることで、物語に深みとふくらみを持たせることに成功しております。
例えば、大阪の特徴である「古い近代建築が残る町」という現実の特徴を物語の中盤におけるひとつのキーとしており、具体的な建物をいくつか物語に登場させております。おそらく、そのうちのいくつかは現実には存在しないものなのでしょうが、そのリアルとファンタジーのバランスが読む側に心地よく思えます。
また、本作については、伏線の張り方も見事です。登場人物の名前等から読み手が推測できる伏線と、後から気がつかされる伏線が絶妙なバランスで配置されており、いい意味で期待を裏切られます。
マイナス点としては、多少ステレオタイプ的な展開があります。ただ、過去の作品になかったテーマ性という部分を表現しているところを加味すると個人的にはアリでした。むしろ、いくつかのテーマが示されていたことで、過去作品よりもいい読後感が得られた印象を受けました。
結果、500ページ以上ある作品でしたが、一気に読んでしまいました。
自分が購入している初版本の帯には「はっきりいって、万城目学の最高傑作でしょう」と書かれておりますが、間違いなく同意できる一冊です。
さらにはあり、個人的には早くも来年の本屋大賞でベスト3には入るのではないかと思える位の良作でした。(一位と書かないのは、夏にでる村上春樹の新作を期待したいというのもあり・・・というところですが。)
先日モニターに当選したUQ WiMAXの端末(USBタイプのUD01NA)が届きましたので、早速ドライバをインストールし、通信速度を測定してみました。
- OS:WIndows XP
- CPU: Core 2 Duo U7600(1.20GHz)
- メモリ2B(1GB+1GB)
というスペックで世田谷区の某所からgooスピードテストで測定した速度は3.45Mbps。一方、同じ端末でイーモバイルの端末(D01NE)を用い、接続した速度は0.45Mbpsでした。実に8倍近くの速度差があります。
もっとも、自宅のBフレッツは40Mbpsの速度が出ており、まだまだその差がありますし、実際に利用する場所として想定している地点で接続できるか、また、その速度はどの位かといったものを見てみなければいけないのですが、第一印象は非常にいいです。
また、余談ですが、ドライバをインストールするのにCD-ROMやネットからのソフトのDLがいりませんでした。ビジネスマン向けのPCやネットブックでの利用や、自宅の回線の代替手段として考えた場合、結構このことは大事だと思われ、そういった点でも好印象を受けました。
というわけで、しばらく使い倒してみたいと思います。
先日の夜、久しぶりにCATV経由でBSデジタル放送を見たところ、ほとんどのチャンネルがTVショッピングでした。
そこで気になったので、TVの番組表をYahoo!で調べたところ、時間帯によっては、すべての民放のBSチャンネルがTVショッピングを流していることがわかりました
現状は視聴者が少ないBS放送だからこそなんでしょうが、そのうちこの流れが地上波にも訪れてくるんだろうと個人的には考えております。さらに言えば、現状ですでにその傾向が強い深夜帯だけではなく、ゴールデンタイムやプライムタイムでも似たような動きが出てくると思っております。
といっても、普通のテレビショッピングをするという意味ではありません。(プロダクトプレースメントだったり、番組のフォーマットに広告を適応させるということが積極化するというのはあると思いますが。)
どちらかというと、テレビの放映枠ごと少数のスポンサーが買い、スポンサーとなる企業が二次利用や商品化をおこなうために番組を製作するような傾向が強まるのではないかということです。(たとえば、ドラマやお笑いをDVD等の二次流通を前提として製作するということです。)
スポンサーがつきにくい深夜アニメ等では既に上記に類似した形式がとられておりますが、ここ数年でそのようなTV局ではなく、スポンサーが主体となる番組が増えてくるのではないでしょうか?(文字通り「ご覧のスポンサーの『提供』でお送りいたします」になるわけです。)
制作費を削ることが至上命題となっている民放においてこの流れは間違いのないところだと思いますが、近い将来、TV局や制作会社との関係も含め、かなりの地殻変動が放送業界に起きることになるでしょう。(もちろん、TV局としては「製作委員会」型のモデルを取り入れることで、自らの関与を一定割合保とうとするでしょうが。)
六本木ヒルズに7つの贈り物を見に行ってきました。
ウィル=スミス演じる国税庁の役人があるリストをある人物が元に自らのおめがねにかなう人間か調べ、その上でその人達に対し、ある形での贈り物をするという物語。
映画を見終わっての感想は、ウィル=スミスの演技のすばらしさの反面、ストーリーについては、「あらすじを知らないとわからない」という点と、「原作の小説はもっと面白かっただろう」というように思ってしまいました。
前者については、主人公が7人の人間を選び、贈り物をしているのかがわかりにくいという点が挙げられます。本点については物語の終盤で明らかになるのですが、比較的あっさりとした描写で描かれているために、スッキリとしない印象を受けます。
また、7つの「贈り物」自体の描写についても、釈然としない印象を強めます。ヒロインとの描写は丁寧に描かれる反面、数シーンで贈り物が終わってしまうものもあり、そこが作品のテーマを曖昧にしている印象で、おそらく、原作ではこういった点がもっと丁寧に描写されているのではないかというように思わされました。
ちなみに、本作の原題は「seven pounds」。presentでもgiftではなく、poundであったのはなぜかと思い、検索したところ中々考えさせられる訳が出てきました。poundの意味を知っておくと、もう少し変わった見方ができたかもしれません。
いずれにせよ、おしいと思わされる作品でした。