2008年12月アーカイブ

 大晦日ということで、2008年を少し振り返ることに。今年は去年のライブ読書に加え、マンガと映画についても少しだけ書いておくことします。

 まず、読書について。

 後半ブログに書けていない点は差し引かなければと思うけれども、調べてみた所、ブログで言及している分で約110冊強あったので(言及していない専門書系の書籍もそれなりに読書しているため、実際の読書数とは異なります。)、年間100冊という目標はクリアした模様。

 その中で印象に残ったのは、やはり伊坂幸太郎作品。読んだ本の数では「チーム・バチスタ」シリーズの海堂尊さんの本が一番多いと思いますが、密度の濃さはやはり伊坂さんでした。ちなみに、今年読んだのは「ゴールデンスランバー」「実験4号」「魔王」「モダンタイムズ」「フィッシュストーリー」終末のフール」「陽気なギャングの日常と襲撃」「死神の精度」「砂漠」の9冊。中でも、「ゴールデンスランバー」「魔王」「モダンタイムズ」の3冊に連なっている世界観は、個人情報と行動ののデータベース化が進んでいるこの世の中において同行どうすべきかといったことを考えされられるものでした。

 自分の行動がデータベース化され管理されていくという点では、12月に発売されたゲームソフト「428 ~封鎖された渋谷で~」においても同様のテーマが含まれておりましたが、(もっと一般的な話題では、Googleストリートビューがそれにあたるでしょうが)、今後においてもこのテーマは考え続けれなければいけないのでしょう。

 他の伊坂作品では「砂漠」が個人的には好きでした。また、他の作家ではやはり「容疑者Xの献身」「火車」「チーム・バチスタの栄光」 「走ることについて語るときに僕の語ること」といったベストセラー作品は純粋に面白いなと感じされました。

 他方、新書やビジネス書に話を移すと、今年はそこまで印象に残った一冊はありませんでした。世の中全体が「勝間本」のような分かりやすい本とかに向かっていっていたからかもしれませんが・・・「カーライル」「社員をサーフィンに行かせよう」「調べる技術・書く技術」「旅する会社」生命保険の「罠」あたりが面白かったですが、一方で新書バブルなのか、面白くない本も散見されました。「凡人として生きるということ」とか。

 その反面、過去あまり手にとらなかった経済小説は数冊読み、全体的な印象として面白かった印象があります。特に「ハゲタカ」と「巨大投資銀行」は非常に読み応えがありました。この2冊については規模は違えど(外資系ではないという意味でも違うか)、自分自身の業務とある程度オーバーラップさせて読むことができたというところがあるとは思いますが、一気に読み薦めてしまった作品でした。

 ちなみにこの年末年始に読もうと思って購入している本は以下の5タイトル、6冊。相変わらずジャンルがバラバラですが、新年から面白い一冊に出会えることを期待しております。

  • 白州次郎(上)(下)
  • デューデリジェンスのプロが教える企業分析力養成講座
  • ジョブズ VS 松下幸之助
  • TENGU
  • 趣都の誕生 萌える都市アキハバラ

 

 奥田英朗の新作。久しぶりの新作は原稿用紙1000枚以上のサスペンスという意外なものでした。テーマは1964年の東京における光と影。簡単にあらすじをまとめると、以下のようなストーリーです。

 1964年、東京オリンピックに向け沸き立つ東京、その街を作り上げる裏では、地方から出稼ぎに来る大勢の人々の労働と命が犠牲になってました。秋田から出稼ぎに来ていた兄を亡くした東京大学の大学院生であった島崎国男は、兄の足跡をたどるにつれ、世の中の矛盾を知ります。自らがいかに世の中を知らなかったかを思い知るとともに、その矛盾に憤った彼は、やがてこの格差の元凶ともいえる「オリンピック」の存在に疑問を感じるようになり妨害を企てるようになります。

 久しぶりの奥田作品でしたが、読み終わっての感想は、他の作家なら面白かったといえるのだけど・・・ということ。

 その一番の理由としては奥田英朗作品で感じる(伊坂幸太郎の作品でも同様に感じるのですが)こんがらがった縄がほどけるような心地よさがなかったということ。テーマの重さがゆえの問題かもしれませんが、過去の奥田作品に比べ、読み終わったときに消化不良な印象を受けました。

 また、ストーリーの展開も個人的には物足りなさが残りました。東京駅における身代金受渡しの手法等は、時代の流行を捉えた面白い手段だなあと思いますが、この時代の社会の表と裏を詰め込んでおこうというような流れの中で多分にご都合主義的な展開が見受けられたのが残念でした。

 本作のテーマ自体は非常に考えさせらるものでしたし、以前紹介した誘拐児の時代(昭和30年代前半)と比した東京の街の移り変わりはもう少し調べてみようかとも思わされ、そういった点で読む価値があったとはいえます。

 ただ、純粋にエンタテインメント作品として楽しめたかというと期待ほどではなかった一冊でした。

 

 遅ればせながら、レッドクリフを見にいってきました。今年映画館に行くのは10度目でしたが、今回の場所は新宿のバルト9。土曜日の14時50分から始まるの回だったこともあり、公開5週目でもほぼ満席の状態でした。

 肝心の内容はというと、アジアの一流どころの俳優が出演している場面は非常に見所があり、彼らのアクションシーンは見所十分です。

 また、事前情報として聞いてはいたのですが、本作では赤壁の戦いの緒戦までで終了しており、水軍における火攻めの戦いは4月公開のPart2でという究極のじらし作戦は興行的にもうならされました。

 但し、いくつか笑わざるを得ないシーンもあります。それはエキストラの演技力のなさと一部の武将のドラゴンボール的な強さ。合戦のシーンにおいてアクションスターの迫真の演技の合間に見られる彼らの自然体の姿と、超雲、関羽、張飛等の一部の武将の神がかり的なシーン(張飛なんて素手で飛び出して何十人も倒しますから)には思わず失笑せざるを得ませんでした。

 ただ、そういった点を含め、エンターテイメントとしてよくできていると思わされました。そして、総制作費90億とも100億とも言われているこの乾坤一擲の戦いに勝利するエイベックスの勝負強さについても色々と考えさせられました。

 間違いなく、4月公開も見にいかざるを得ない作品でした。

 

Profile

HN:decchy
大手通信会社でエンジニア・営業経験を積んだ後、IT系ベンチャー企業に転職、 営業・企画・PR等を行うマネージャー業務を担当し、 2008年の東京インタラクティブ・アド・アワードに入賞する等の実績を残す。
現在はプライベートエクイティに転職し、投資業務並びに経営支援、新規事業開発支援業務に従事中。

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