書評:ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く! /梅田望夫

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 梅田望夫の新刊本。過独自のフレーズを通じWebを通じた新しい時代を説き続けていた著者自身がシリコンバレーで生きるにあたり、ひとつのロールモデルなると感じた言葉を「アントレプレナーシップ」「チーム力」「技術者の眼」「グーグリネス」」「大人の流儀」の5つの視点から紹介している一冊。

 どの言葉が心に残るかというのは個人的な好き嫌いもあると思うのですが、個人的に一番大事だと思うのはあとがきにおける著者自身の言葉です。

 P261-262において梅田さんは仕事を「攻め」と「守り」に分類した上で、守りの仕事のメンタリティだけでは未来を創造できないといい、その上で仕事における「創造的な攻め」の必要性を訴えています。

 そこで個人的に思ったことがひとつ。

 それは本書を含めた梅田さんの著作の中で描かれているシリコンバレーの明るさの影に隠れているようにみえること。

 それは、上記の考えの中で大切なのは、「守りの仕事は必要ない」ことではなく、「守りの仕事の中にも未来につながるような姿勢で臨むことが必要」だということ。

 本書を含めた梅田さんの著作の中では、シリコンバレーの「明るさ」がとかれているのですが、その反面、目立たない部分が軽んじられているの傾向があるのではないかということをたまに感じることがあります。(梅田さんがそう思っているというよりは、本を読んだ人が明かりの部分にばかり目を向けてしまうという意味で。)


 確かにウェブの世界では個人の可能性が無限に存在しているとは思います。

 ただ、その反面、状況に応じた優先度のつけ方が難しくなっていて、結果として影となる「無駄」や「失敗」が過度に疎まれる傾向があるように最近感じております。

 その代表が人間関係だと思っていて、「ライフハック」的な思考の元、自分の都合が中心で世の中のものを決めてしまう思考に対し、どうも居心地の悪さを覚えてしまってもいます。

 だからこそ、自分なりに無駄を含めた生き方やポジションをとってこのウェブ時代をすごしていきたいと考えさせられる一冊でした。

 ちなみに細かい点ですが、本の紙質が安っぽく残念でした。決して安くない価格の本なのだから、その部分にはもっと気を使ってほしく、そういう意味でがっかりさせられました。

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HN:decchy
大手通信会社でエンジニア・営業経験を積んだ後、IT系ベンチャー企業に転職、 営業・企画・PR等を行うマネージャー業務を担当し、 2008年の東京インタラクティブ・アド・アワードに入賞する等の実績を残す。
現在はプライベートエクイティに転職し、投資業務並びに経営支援、新規事業開発支援業務に従事中。

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