書評:反転 闇社会の守護神と呼ばれて/田中森一

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 半年ほど前から書店に平積みされていて気になっていた一冊。その厚みもあり中々手を出せなかったのですが、先日の三連休を利用して一気に読み終えました。

 法廷での判決シーンで始まる本書は、大きく分けると2部構成にわかれます。

 前半部分は長崎県の平戸の貧しい家庭に育った著者が、苦労の末司法試験に合格した後、検察官として数々の事件解決に活躍したの後、東京地検に栄転となった話となります。ここまで聞く限りでは立身出世伝の趣き。10年の期限という約束の中、司法試験に合格し、また、検察に入庁した後は、大阪を中心に名を上げていく様子は、日本の高度経済成長となぞらえられるかのような迫力があります。また、

 一方、後半戦は、東京地検における数々の捜査現場で生じた「圧力」の数々、そして、それに嫌気が差し、結果として検察庁を辞め、弁護士として新たなスタートを切った後の話がメインとなります。著者が弁護士に転進したのは1988年、時代はバブル真っ只中。弁護士となった著者は表の世界、裏の世界を含め、非常に派手な生活を送ることとなります。

 結果として、2000年には石橋産業事件をめぐる詐欺容疑により、自らが所属していた検察に逮捕されます。(現在上告中、また本文では「国策逮捕」と主張されています)

 本書で印象的なのはやはり弁護士時代の数々のエピソード。100万円のチップを渡す紳士や、節税対策にヘリコプターを買う話など、「本当にそんな時代があったの?」という気にさせられ、ため息が出てしまいます。

 その他、検察時代のエピソードも波乱に満ちており、まさに「事実は小説より奇なり」といった一冊。

 410ページ程とやや分量は多いのですが、「昭和後半~平成時代における日本の発展と闇」を勉強する意味でも一読をオススメします。

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HN:decchy
大手通信会社でエンジニア・営業経験を積んだ後、IT系ベンチャー企業に転職、 営業・企画・PR等を行うマネージャー業務を担当し、 2008年の東京インタラクティブ・アド・アワードに入賞する等の実績を残す。
現在はプライベートエクイティに転職し、投資業務並びに経営支援、新規事業開発支援業務に従事中。

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