2008年2月アーカイブ
先週の途中以降の山場をなんとか乗り切ることができました。無事に投資実行までこぎつけられた形です。
IT系企業の営業マンにとって受注がゴールではなく、構築が完了するまでが一つのゴールとなるのと同様で、これからが本当のスタートとなるわけですが、まずはホッとしたというのが第一印象。
と同時に、自分が投資家としてキャリアを積んでいく上で、現時点で思ったことを振り返ることに。
1.情報収集にあたってのポイント
- Web媒体だけに頼らない。たとえプリントアウトしたとしても頭に残る分量は少ないので、書籍を必ず探してみる。
- その業界の収益構造を複数の事業に分け、各事業ごとに(数量)×(単価)という形でブレイクダウンする。
- 自分がその業界で働いていたとしたらどのようなマインドを持つだろうかということについて仮説を持つ。
2.交渉にあたり何をヒアリングすべきか
- まずは先方から提出のあった資料を読みこなす。
- 収益構造やマインドについての自分の仮説を先方に確認し、ギャップを埋める。(先方の「ツボ」を探す)
- ギャップを埋めた上で、先方の決算資料を自分の仮説の下読み替えていく。
- 資料についての疑問点はすぐに専門家に訪ねるのではなく、Webで検索するなり、同業他社の動向を確認する。
3.心がけること
- 投資検討先の「ツボ」を考慮した上で、「自分が事業をしたら、中にいたら」という視点を持つ
- 実直かつ謙虚になる
また、今回投資サイドとして携わった結果改めて感じたのは、「投資される現場」の立場を考えることの必要性。もちろん、経営者との人間関係も大事ですが、実際に作業をする方々とのリレーション構築がないとつらい印象をうけました。
ここに関しては、今後現場の実行支援をするなかで、仮説を立てていきたいと思うのですが、現場とのリレーション構築には少しこだわってみたいと思います。
3月からは色々な意味でまた刺激的な日々になりそうな予感がします。
アメリカにおいて、iTunes Storeの売上が音楽販売で二位になったとのことです。
CNET記事:アップル、音楽販売でBest Buyを抜き業界第2位に--米調査
また、アップルのHPにもニュースリリースがありました。
その中で、個人的に関心をもったのは、アップルのHPにあった以下の内容。
iTunesはこれまでに40億曲以上を販売しましたが、2007年のクリスマスの日には、その日だけで2,000万曲という驚異的な数の楽曲を販売しました。
クリスマスソングをプレゼントするというカタチでの販売がされたからなのかと思うのですが、単純に1曲100円と計算すると一日で20億円の売上となるわけです。
一方、日本レコード協会が発表した、CDなどのパッケージと有料配信の販売金額の合計は2007年で合計は4,666億円(一日あたり約13億円)となるわけなので、この20億円という数字の大きさがわかります。
さらにいうと、日本におけるPC向け音楽配信市場、サブスクリプションモデルを含めたとしても2007年度で約65億円に過ぎません。実に、米国の数十分の1程度。(ちなみにモバイル向けは680億以上と10倍以上存在)
* 日本における各種金額は日本レコード協会2月21日プレスリリースより抜粋しました。
アメリカにおいても間違いなくP2Pでの音楽ダウンロードはされていると思うのですが、ここまで差が多いと日本の音楽レーベルがインターネットでのダウンロードに商機を見出すことは難しいのではないかなあと思ってしまいます。
となると、市場が10倍存在するモバイル市場にフォーカスし、モバイル利用ユーザーに広まるようなプロモーションを行うのが正しいのかと思いますが、公式サイトが飽和状態の上、フィルタリング規制の問題もあるので、プロモーション要素としての広がりも難しい気がしています。
そうすると、必然的にライブのようなリアルの場に向かうのかもしれません。ただ、ライブの価格にしろ高校生が手軽にいくには一度あたりの単価も決して安くはないわけで。
と、考えると次第に音楽市場は高年齢化していくのだろうと思いますが、結局、パッケージと配信の合計市場は微増しているおり、なかなか前途多難な市場です。
だからこそ、次の一手を考えられると強いのかもしれませんが。
先週以来、投資案件が山場ということもあり、かなり追い詰められた平日を送っております。
ただ、そんな中、楽しみや喜びを見つけることは非常に大事だと思うわけです。
そんな自分が見つけた一つ目の喜びは、今秋発売の「SPA!」より。実に中学生の頃から愛読している「一流のB級雑誌」ですが、(褒め言葉ですよ!)P104-P105のデジペディアのコーナーにうれしい記事が。
「最強ケータイ合コンゲーム図鑑」と銘打たれた一流のB級感が漂う記事の中に、前職で立ち上げを担当した「はなワザ」が!!
自分が立ち上げたサービスが、自分がある意味あこがれ続けた雑誌に掲載されているというこの現実、退職してもうれしく思ってしまいます。(明らかにサービス立ち上げ時の古い画面がキャプチャーされているのが気になりますが…。)
そして、もう一つは「超映画批評」にて『ガチ☆ボーイ』の点数が高いこと。
『チーム・バチスタの栄光』を見にいった際に、これは面白いのではと思い、前売り券を購入していたのですが、点数付けに信頼が持てる本サイトで高評価を受けていることは、週末以降見にいくのが楽しみにさせられました。
仕事上の山場は続きそうですが、こういった出来事があるとなんとかなれそうなのが不思議な所。さて、明日はどうなることやら。
今月発売の月刊アスキーで中島聡さんと梅田望夫さんの特別対談がありました。
基本的な内容としては、いかにして技術とビジネスを共存させるかという内容。日米のエンジニア気質のの違い等は今までも言われている通りですが、面白かった点としては、「ハードウェア産業」と「ソフトウェア産業」で分類している部分。
トヨタのカンバン方式を例に、製造業やハードウェアの領域においては、ビジネスとテクノロジーを両立する中間層が居るのに対し、ソフトウェアの世界にはそういった中間層が存在していないというのが日本の現状であり、問題の根源ではないかという論です。
この原因としては、
- ソフトウェア業界自身が若い産業であり十分な中間層が育っていない
- ソフトウェア市場の市場規模が小さく、プログラマとして一生食べるのが難しい(管理職にならなければいけない)
といったことが言われております。(後者の市場規模が限られているという部分では、ハードウェアに比べソフトウェアの法が言語に依存する部分が相対的に大きく、グローバル展開が難しいということもあるでしょう。)
で、この問題の解決方法は正直難しい部分もあると思うのですが、その一つの解決方法が、対談のなかで、中島さんが述べていた「ゲイツ・クローン」なのかもしれないと感じました。
ビジネスのことを熟知しなければいけないエンジニアを組織的に設け、給料やストックオプション等を高いレベルで渡していたというマイクロソフトのやり方は、一つのあり方として学ぶべき所がありそうです。
その他、日米における「スーツ」と「ギーク」の定義の違いについても思わされることがありました。日本では対立が前提となっているビジネスサイドの「スーツ」と技術者の「ギーク」ですが、結局のところ、日本では、高校生時代の「文系・理系」の区別を超えたキャリアプランを築くようなことが難しいことが元凶になっている気がしました。
高校生の時に選んだ進路に従ってキャリアプランが決定され、それに伴い付き合う人種もある程度固定化され、違う考え方、発想をする人種に対しての不信がつのっていくというスパイラルになってしまっているということですが、考えさせられる話です。(高校生の時に人生のルートがある程度決まってしまうなんて、今思うとどうしようもない話ですが…。)
と思うと同時に、対談のフルバージョンが収録されているという中島さんの書籍は買わなければとも思わされるいい意味で思わせぶりな内容でした。
先月のこの記事を読んだ時点でわかっていたことではありますが、2008年のパリーグの全試合がYahoo!動画で見られるようになることが正式に発表されました。
記事:TVバンク、2008年度パ・リーグ全試合を「Yahoo!動画」で無料配信(CNET)
ちなみに、裏側で配信する技術はTVバンクのP2P技術、「BBブロードキャスト」とのこと。(これは過去の中継と同じですね)
また、この発表を見るときになるのは、今まで「プロ野球全試合放送」をうたっていたスカパーの対応。というわけで、2008年のスカパーのプロ野球特設ページを見てみたわけですが、今のところ「全試合放送」というようなアナウンスはありません。
ただ、間違いなくスカパーにとってはプロ野球はドル箱コンテンツだと思うので、なんらかの対応が必要になるのは間違いないところで、そこで思うのは、ソフトバンクサイドが提示する条件です。
単純に権利の再販ですむものか、というと個人的にはそうは思っていません。なぜなら、孫さんにとって「テレビ」は昔から渇望していたものだから。
96年のテレビ朝日の株式取得、JスカイBの立ち上げの時代から宿願としていたテレビ的なコンテンツを手に入れたわけで、この核となるコンテンツと中心とし、ソフトバンクがもつ固定、携帯の通信インフラを組み合わせることで、強大な「インターネットTV」を今後作りにいくことは間違いと思っております。
そこで、その核となるコンテンツを必要としているスカパーに対し、コンテンツを提供する代わりに、チャンネルを運営する事業者に対し、共同でインターネット配信を行わないかという提携関係を結ぶことが考えられます。(スカパーで配信している事業者をソフトバンクがターゲットにしていることはベネッセチャンネルの例でも明らかです。)
もちろん、スカパーJSATの大株主にはNTTComが存在したり、過去、NTT東西と共同で会社を立ち上げたりという現実があるので、スカパーとしてソフトバンクと提携関係を結ぶことが難しいことはわかっています。
ただ、もし、このパリーグの権利がスカパーにとって現時点で一番の競合になっていると思われるJ:COMの手にわたったら・・・と思うと、どうなるのでしょうか?
個人的には「地上波」のレベルでは「放送と通信の連携」は起きないと思っている(P2Pを使おうともインターネット上で地上波のトラフィックをさばくことは現実的ではない、ワンセグを活用することで(*1)すでにPCやケータイで地上波を見ることができるから、というのがその理由)反面、スカパーやCATVのような多チャンネルのコンテンツに関しては間違いなくインターネットやモバイルで配信される流れが強まると思っていますので、非常に気になります。(個人的にはスペースシャワーTVがケータイやPCでサイマルで見られるのならば月1,000円は払うのですが…。)
とにかく、この一ヶ月の間、目が離せない話題です。
*1 2008年より独自番組が配信可能となる予定ですが、今のところ地上波に関してはサイマルを続けるのではというのが個人的な見解です。
VC関連の様々な方々のブログにて「必読」と書かれていた一冊。新品を入手するのに大分苦労しましたが(実際、Amazonでは定価の1.5倍近い値段から売られております。)なんとか購入に成功し、少しずつ読み終え、先日読み終えました。
本書はタイトルからもわかるように、アメリカにおいて実績を築いたベンチャーキャピタリストのインタビューが収録されています。その人数は35名で、バックグラウンドも多彩。
個人的に印象に残ったのは、大きく2つの内容。
一つ目は、ロックフェラー家やホイットニー家による支援やハーバード・ビジネス・スクールのジョージ=ドリオット教授によって設立されたARD等から始まるアメリカにおけるベンチャーキャピタルの成り立ちといったアメリカのVCの歴史について。特に多くのキャピタリストに影響を残したジョージ=エリオット教授の功績がよくわかります。
そして、もう一つはアメリカにおけるキャピタリストの投資における一つの特徴。具体的には、ベンチャー企業の運営に「組織」を重要視し、経営メンバーの引抜きを含め積極的に支援を行うという所。
日本のベンチャーキャピタルはアメリカに比べて投資できる金額が小さい、イノベーションに対するリスクマネーが資本市場より供給されにくいというようなことが言われます。確かに金額の多寡が影響を与えることは否定できないと思いますが、実は、アメリカのベンチャー業界の方成功していると思われるのは、「組織」を構成するための人材市場が大きいからではないかとも感じました。
「優れたアイデアを浮かべることは貴重だけれども、むしろアイデアをビジネスとして実現できる人のほうが貴重」とも言い換えられるのかもしれませんが、少し考えさせられる話です。
雇用の流動化が進んでいない日本ではまだまだ難しいことかも知れませんが、業界の一員としてどうなっていくか楽しみでたまりませんし、流動化される時代において声をかけられる存在にはなっておきたいと改めて思わされてしまいました。
最近、色々なブログで話題になっていた「はてなの京都移転」について、ITmediaに掲載された岡田有花さんが書いた記事のなかに、すごいいいコメントがありました。
参考URL:米国から京都へ はてな近藤社長の真意は
それは、記事の2/2にある以下の言葉。
「ネットサービスはもしかしたら、『そんなところまで求めていない』という段階まで入り込んでしまっているのかもしれない」――ネットの進化の停滞のようなものを、最近感じている。ブログ、SNSに次ぐキラーなテキストサービスは、まだ登場していない。
「イノベーションのジレンマ」の世界にWebが入り込んでいるともとれる言葉ですが、みながうすうす感じていることをWeb屋の世界で大きな支持を集める「はてな」と「岡田有花」さんのコンビの記事で書かれていることに意味があると思っています。
さらに言えば、そろそろ自分達はインターネットから生活を取り戻さなければいけない時代になっているのでは、とも考えました。
「ライフログ」がインターネットにおける次のブームかとも言われているけれども、結局の所、インターネットは生活を便利にしたり、ちょっと楽しくしたり、コミュニケーションを豊かにする手段でしか過ぎないのでしょう。
やはり大事なのは「身体」であり、「生活」だということを強く感じさせられる記事でした。
そういえば、岡田さんは「ネットで人生、変わりましたか?」という書籍も出されています・・・やはり、彼女の頭の中では人としての人生や生活が中心にあるのでしょうか…。
今日は前職関連の記事をよく見た一日。日経新聞の記事になっていたり、CNET Tech Ventureで受賞されていたり、というところ。
色々思うところがあり辞めた人間ですが、古巣の動向は気になるもの。また、いずれの話も自分が多かれ少なかれ関与していた内容であるだけに、少しは自分がやったことが役に立ったという印象です。
ただ、営業だったり企画だったりをしていた自分よりも、なによりも最前線で開発していた開発メンバーと自分の下で実際の作業を行ってくれていた製品企画のメンバーには、ありがとうございました&おめでとうございます、といった気持ちでいっぱいです。
と同時に、こういった形で表に出るベンチャー企業に在籍し仕事をしていたということは、ベンチャーキャピタルの業界の中では結構価値のあるものかもしれないと思わされます。何をどうやると、どのような結果が出てくるか、出てきやすいかを現場の視点から見ることができていたということですから。
何はともあれ、おめでとうございました。
・・・さて、仕事に戻ろう。
先日の週刊ダイヤモンドで紹介されていた勝間推薦本の一冊。60年以上前に初版が刊行された読書の読み方に関する本。
読書のレベルを下から
- 初級読書
- 点検読書
- 分析読書
- シントピカル読書
の4つのレベルに分類した上で、第二のレベルの「点検読書」と第三のレベルの「分析読書」の手法について、中心的に解説を行っています。以下、少し備忘を含めた解説を。
- 点検読書とは?
限られた時間内で書籍についての概要を知るための読書手法。目次や索引、解説、帯なども活用することである本について「どんな種類の本か」「全体として何を言おうとしているか」「どのような構成で概念や知識を構成しているか?」の3点について抑えることを目的とする。
2.分析読書とは?
…「理解を深めるために行う」読み手として徹底的に可能な限りの高度な読書。内容としては主に3つの段階にわけられる。「本の内容を詳細に知る」「内容を様々なレベルで理解する」「正しく批評を行う」というのが具体的な内容であり、各段階でさらにいくつかのステップに分類される。(単語を理解するのか、文を理解するのか、といったレベルの違い)
普段の業務で言えば、点検読書の手法が役に立つという印象。限られた時間の中で業界の特徴を知り、自身の知識や経験を元に組み合わせる業務の効率化に改善できるのではないかと感じました。
表現が抽象的で分かりにくい部分があり、文章として読みやすくはないのですが、書籍としての構成が非常に分かりやすいので、後から読み返しやすいのもGoodです。
ちなみにシントピカル読書とは複数の同様の主題を持つ本を読み比べて理解を深めるというもの。ただ分量が少なく、手法として意識して行うのは難しい印象があるので、当面は点検読書の手法からマスターしていければと思います。
ライブドアの「本が好き!」サービスから献本をいただいた一冊。
営業をする上で昔から良くやることとして、営業先の業界に関する就職の「業界研究本」を読むことがありました。自分が担当していたクライアントは正直入り込めていない相手が多いため、相手方についての知識をつけ商談のチャンスを掴もうとするために行っていた行動で、この癖は現職でも役に立っていると思っております。(業界研究本を選んでいた理由は「短時間で読める」「わかりやすくまとまっている」の2点です。)
本書に関してもそういった行動の一環で読ませていただきました。(転職する意思はありません)
中身は、企業紹介もさることながら、インタビューが充実しております。それこそGoogleの村上社長やYahoo!の井上社長から、Web2.0時代のビジネスマンの代表といえる保田隆明さんや、徳力基彦さんのインタビューまで非常に充実した内容であるといえます。
一方、課題は3点。
一点目は読者ターゲットが曖昧な印象を受けたこと。新卒採用の就職や、インターネットビジネスに従事した経験のない(乏しい)人の転職本としては全く問題ないと思うのですが、業界経験者が読むには内容が物足りない印象。
次は検索性の悪さ。市場解析のページがあり、その業界のプレイヤーが紹介されているのですが、プレイヤーのうち、実際に掲載されている企業については掲載ページ数を書くような対応をして、どの企業が掲載されているか、また、具体的に業界の内容が知ることができるかといった情報がわかりやすくなっていると好ましいのではと感じました。
もう一点は、Web制作系の企業がジャンルとして紹介されていないこと。せっかくWebプロモーションのカタチでユニクロの取り組みを紹介していることもあるので、Webサービス系の企業だけでなく、このあたりの面白いトリ栗をしているような企業をもっと紹介した方が面白いのにと考えてしまいました。
ただ、業界とそのプレイヤーをざくっと知りたいという要求に対しては問題なく応えられる一冊ではないかと思います。

就職・転職に役立つ インターネット企業ガイド (SOFTBANK MOOK)
- ソフトバンククリエイティブ
- 1200円
書評/ビジネス
走る小説家、村上春樹が2007年11月に出版したエッセイ集。ちょうど東京マラソンだからというわけではないですが、遅ればせながら購入しました。
本書は、小説家となった時点でランニングを開始した村上さんが、ランニングを通じ人生について語っている一冊。過去、自分自身について多くを語らない村上さんが自分自身について率直に語っている時点で読む価値のある本です。
本書は、2005年のニューヨークシティマラソンに向けたトレーニングの日々の間に思ったこと、過去を回想していることをメインコンテンツとし、その後の2006年のトライアスロンに出場した前後のことをエピローグ的なカタチで構成されております。
実際、自分自身、過去一度だけフルマラソンを走った経験で感じたのですが、42.195kmの間では本当に色々なことを考えます。
始めの数キロはコンディションの確認やこれから待ち受けてくる距離への不安。中盤頃は予想外に気分良く走ることができ、このままいけるのではないかという、楽観と油断が混ざった感情。疲労が蓄積された35km位からは、「なんでこんなことをしているのだろう」という後悔にも似た感情。ゴール付近に生じる安堵感。そして、ゴールを通過した際の達成感。
たった一度きりの経験でも色々と感じているのだから、20数年もの間「走り続けた」著者がどれだけのことを考え、感じていたのかは推して知るべきことに思えました。
本書を読んで「人生とは本当にマラソンのようなものだ」と一括りにまとめて考えてしまうことはたやすいことかもしれませんが…自分にとってあるべき人生を考えさせられるいい一冊でした。文句なしに面白いです。
そして、自分自身について考えるだけではなく、また走ろうかという気にさせられる一冊でもありました。
巨人軍論に続いて、野村監督の阪神論。内容としては大きく3つ。
- 阪神が弱かった「ファン」「メディア」「フロント」「選手」の4つの原因
- 阪神の監督時代の体験談
- 星野監督、岡田監督を通じ、阪神は変わったか?
やはり、自身が体験された苦労であるだけに説得力があります。(その分グチっぽいですが)特に面白かったのは、自身が阪神で上手く行かなかった理由と星野監督との比較の部分。
上手くいかなかった理由を「外部環境(上記4つの要素)「自分自身の『あきらめ』、自身との戦いの敗北」と大きく位置づけたうえで、星野監督が自身よりも優れていた物事を「鉄拳(=怖さ)」「人脈」と分析しております。
後者に関して、補強に対しての対応という面で如実に現れたあります。要約してしまうと、
野村監督=「エースと四番は育たないから補強してくれ」
星野監督=「(エースと4番として)誰と誰が欲しい、で、いくらかければ獲得できる(ように調整した)から獲得させて欲しい」
といった違いです。思わず、なるほど、と。上司に進言するような場合やクライアントを説得するような場合と同じだと感じたのですが、相手の思考も考えた上で先読みし、実行する能力の大切さを考えさせられます。
電車の中でさらっと読むタイプの本ですが、阪神ファン、野村ファン以外の人が読んでも面白い一冊でした。
今週は社内外で様々なカタチのミーティングがありました。とりわけ金曜日に行われたミーティングは人間性が試されているようなタフなミーティングでした。(結果は悪くなかったはずです…。)
その一方、自分なりのヒントになる言葉も複数の方からいただきました。
- 「本業や業界に関係する話が(私と)できるのはいい」
- 「同じ業界の匂いがする」
といった言葉がそれにあたりますが、金融の知識や一般的な手法を身につけきれておらず、悪戦苦闘している反面、個人的には今後キャピタリストとしてどうしていくべきかという「スタイル」についてのヒントをもらった気がしました。
そして、このヒントは自分なりに転職する際に思っていた「仮説」と合致しているとも感じました。
もちろん投資家なのでキレイ事など関係なく、「EXITまで達成できてナンボ」の世界ではありますが、現業でそれなりに生きてきた強みを最大限に生かすスタイルでどうやったらリターンが最大化できるのかを実践していきたいと思います。
テレビのコメンテーターでも良く見る諸星教授の著書。私自身は知らなかったのですが、実はオリンピックやサッカー等のスポーツの世界などにおけるロビイストやコーディネーターとして30年以上のキャリアを持っていた方らしいです。
内容としては、大きく3つに分けられます
- 自身が経験した実際の交渉活動の現場
(具体的には、第2章におけるサッカーワールドカップ招致活動におけるロビイスト活動や第4章における過去の歴代オリンピックにおけるコーディネーターとしての活動 等) - 交渉において必要な能力、ツボ等のノウハウ
(具体的には第1章における交渉のワザ・ツボ、並びに第3章の語学力、コミュニケーション能力 等) - オリンピックを中心としたスポーツの場などにおける一般的な交渉について
(具体的には第5章の現在の日本のスポーツの場における交渉力等)
過去の経験を元に書かれているだけに読みやすい上、ワールドカップやオリンピック等、具体例が興味を惹きやすいイベントなので、読みやすいです。
で、肝心の著者のいう交渉のツボは、というと、基本的には難しいことはかかれておりません。(どのような状況でも、実践が可能かというと話はまったく別です。)そのツボを一文で言うならば
適切なタイミングで適切な相手に対し、(適切な相手を介し)、お互いの背景・目的・プライオリティといった利害をはっきりと考え、交渉する。
ということにつき、やはり内容としては、依然読んだハーバード流交渉術と近い印象を受けました。一方、違いとしては、継続的な相手との交渉が多いせいか、よりソフトランディングな結末を求めているということがあります。これは本書における「交渉」がより政治的な意味合いが強いからかもしれませんが、私自身の仕事としても継続的な関係が求められることから、参考になる点はあると感じました。
ページ数も少なく、さらっと読める一冊なので、通勤のお供にもいいでしょう。
「反転」とは打って変わっての一冊。2007年7月にNewsweek日本版において「世界を変える社会企業家100人」にも選出されたNPO法人フローレンスの代表である著者(*)が、ITベンチャー企業の経営者の座を捨ていかにして社会企業家の道に飛び込んだのか、またどのように悪戦苦闘をし「病児保育サービス」を立ち上げ、周囲の人間を巻き込み「社会を変えていく」のに貢献してきたのかについて描かれています。
*BLOGもされています:Days like thankful monologue
「マイクロソフトでは出会えなかった天職」を読んだことで、ボランティアではない「社会企業家」という仕事を知ったのですが、(正直、知るの遅すぎです…勉強不足にも程があります)日本でもこうやってビジネスと社会福祉を両立させている人がいることを知り、驚かされました。
さらに著者の駒崎さんは自分と同学年!正直、同じ年齢の人間がここまでの情熱と行動力を持ち、自らをさらけ出すことで、多くのメンターとなる人と出会い、さらには周囲を巻き込んでいったかということは大いに考えさせられます。
もちろん「病児保育」の問題自身あまり良く知らず、だからこそ余計に考えさせられたなったというのもありますが、何よりもさらけ出しながら前に出る、そして世の中を変えていく、その姿勢に完全にやられてしまいました。
正直、書籍のスタイルとしては2つの欠点があります。具体的には「文字を大きくするなどのよけいな装飾」「1400円という価格設定」がそれです。前者は、照れ隠しの要素もあるかもしれないのですが、余計な装飾はいらないという点、後者は、高校生がお小遣いで買いやすい値段(1,000円未満、もしくは新書)だったらというのがその理由です。
特に後者は「自分が高校生だったら絶対に読みたい、読むことができたら何かが変わったかもしれない」と思える程なので、残念で仕方ありません。
ただ、そういった欠点も関係ないくらい、刺激を受けた一冊。心からオススメしますし、自分でも何か、社会のために自分ができることをしたいという気にさせられます。…ということで、本書でも紹介されていた違うNPO法人のパンフレットを取り寄せてしまいました。
半年ほど前から書店に平積みされていて気になっていた一冊。その厚みもあり中々手を出せなかったのですが、先日の三連休を利用して一気に読み終えました。
法廷での判決シーンで始まる本書は、大きく分けると2部構成にわかれます。
前半部分は長崎県の平戸の貧しい家庭に育った著者が、苦労の末司法試験に合格した後、検察官として数々の事件解決に活躍したの後、東京地検に栄転となった話となります。ここまで聞く限りでは立身出世伝の趣き。10年の期限という約束の中、司法試験に合格し、また、検察に入庁した後は、大阪を中心に名を上げていく様子は、日本の高度経済成長となぞらえられるかのような迫力があります。また、
一方、後半戦は、東京地検における数々の捜査現場で生じた「圧力」の数々、そして、それに嫌気が差し、結果として検察庁を辞め、弁護士として新たなスタートを切った後の話がメインとなります。著者が弁護士に転進したのは1988年、時代はバブル真っ只中。弁護士となった著者は表の世界、裏の世界を含め、非常に派手な生活を送ることとなります。
結果として、2000年には石橋産業事件をめぐる詐欺容疑により、自らが所属していた検察に逮捕されます。(現在上告中、また本文では「国策逮捕」と主張されています)
本書で印象的なのはやはり弁護士時代の数々のエピソード。100万円のチップを渡す紳士や、節税対策にヘリコプターを買う話など、「本当にそんな時代があったの?」という気にさせられ、ため息が出てしまいます。
その他、検察時代のエピソードも波乱に満ちており、まさに「事実は小説より奇なり」といった一冊。
410ページ程とやや分量は多いのですが、「昭和後半~平成時代における日本の発展と闇」を勉強する意味でも一読をオススメします。
世界ナンバーワンシェアを誇るVJソフト「motion dive .tokyo」、2007年度のグッドデザイン賞を受賞(*)したWebサイト制作ソフト「Bind for WebLIFE」等のソフトウェアを世に出しているソフトウェア制作会社の代表デジタルステージ、その代表取締役の平野さんの著書です。
先日仕事関係でお会いした方に「面白い人がいて、最近こういう本を出したんだよ」と紹介され、「面白そう!」と興奮した所、あつかましくもいただいてしまったのですが、あっという間に読んでしまいました。
『生活にデザインが求められている時代において、「デザイナー」が考えたことを「カタチ」にする』ということを目標にソフトウェアの開発や、アーティストや企業とのコラボレーションを展開したりしている様子が、本書では描かれているのですが、随所に考えさせられる言葉があります。
いくつか具体例を。
まずは、P97「いかに人の気持ちに近い製品を生み出すか」から。
これからは絶対に、「気持ち」の時代になる。
個人の気持ちが大切な時代には、組織論なんて通用しない。ビジネスモデルとかシェアとかは関係ない。一番大切なのは、個人にとって、楽しいか、楽しくないかだ。
次に、P197の「新しいパソコンのカタチ」で、OSのカタチが変わってくると述べたあとのコメント。
どこのIT系企業もこぞって「リッチな体験」とか「ダイナミック」とか言っているけど、まずそういう言葉を使うことからやめないとダメだ。なぜなら、「リッチな農業体験」なんて言い方、農家の人は絶対にしない。同じように「ダイナミックな農業」とかも、ちょっとヘン。今のITの限界はそこにあって、大切なのは、人が使う姿を想像し、価値観やリアリティーを知り、その人の役に立つものは何かを相手の目線で考えることだ。
実際に自分達や自分達の身近な人が使いたいものを作ろうという姿勢でモノ作りを行い、結果としてもグッドデザイン賞を受賞し、数十万人の「有料」ユーザーを獲得しているなどの結果を残している人の言葉だけに、非常に説得力があります。(無料化、広告モデル化が進展するソフトウェアビジネスにおいて「有料」ユーザーを獲得しているということは個人的にすごいと思っております)
タイトルの『旅する会社』というタイトルを聞くと、良くも悪くもどうしてもWeb2.0企業の雰囲気が漂ってしまうのですが、デジタルステージにはWeb2.0よりもよっぽど確かで、よっぽど自分達の生活に根付いたリアルがある、そう感じました。
文句なしにオススメの一冊です。
そろそろPCを買い換えようかと考えているので、その際にはMacにしつつ、ソフトを購入してみようとも思わされてしまいました。
久しぶりに六本木ヒルズのTOHO CINEMASまで「チーム・バチスタの栄光」を見にいってきました。原作が非常に面白かったので、相当楽しみにしておりました。
結論から言うと、正直がっかりという印象。原作に比べると大分落ちます。本作の中村義洋監督には過去、アヒルと鴨のコインロッカーでもがっかりさせられた経験があるのですが、また原作には勝てなかったという印象です。
大枠のストーリーは原作と同じです。チーム・バチスタにおける術中死の理由を解明するように依頼された田口(竹内結子…彼女は相変わらず素晴らしかったですが)がメンバーにヒアリングを重ねたり手術に立ち会うも分からなかったことを、厚生労働省から派遣された白鳥(阿部寛)が最終的に解決するという内容です。
原作では男だった田口が女性になっているという点は特に違和感はありません。ただ、正直、原作に比べると人間の心理描写が大雑把です。
「あ、あれはそうだったんだ」と思わせたいのだろう伏線はあるのですが、肝心の登場人物一人一人の人物描写が描ききれていないので(原作を読んでいればわかるのですが)、正直展開に無理がある印象を受けました。
もちろん、誰が見ても楽しめる映画にするため(そういう意味で、普通の「デートムービー」としては及第点です。)に難しさを排除する必要性はあるのですが、なにかすっきりしない印象を受けてしまいました。
手術に臨む山口良一のロック歌手のシーンや手術室における犯人の殺人を事前に防いだ行動など何点か面白いところはありましたが、原作のレベルを期待してしまったがために少々がっかりさせられた一本です。
むしろ個人的には予告編で流れていた「ガチボーイ」が気になってしまいました。(予告編を見る限り、ガチボーイは泣けそうな印象。お父さんのバックドロップに続くか!?と個人的に期待してしまいました。)
この数年、特にR25が発行開始されて以降街中にフリーペーパーが増えたと思っていたのですが、そんなフリーペーパーの事情についてまとめられた一冊。
本書では
- コミュニティーペーパー
- ターゲットマガジン
- ニュースペーパー
と大きく三つに分類した上で、それぞれの代表的なプレイヤー(ぱど、リクルート、メトロ)の取り組みについての紹介や、早稲田大学高等学院の生徒達が実施にフリーペーパーの作成に奮闘した出来事などが書かれております。(この早大学院の事例は読んでいて面白い!自分が高校生だったらやってみたいと思わされる内容でした。)
インターネットの攻勢もあり廃刊に追い込まれてしまったプレイヤーが多く存在する一方で、実に年間に1億部近く発行され、4000億円以上もの市場を持つと試算されている(どちらも過去5年間で2倍近い伸びで、額にしても国内のインターネット広告とほぼ同規模の市場です)フリーペーパーのもつ潜在的な市場の大きさを感じさせられます。
また、印象に残ったのは、第三章「問われる広告効果」の中で書かれている『交通広告の一環としての「フリーペーパー」の存在』という考え方。P72からP74で資生堂のマーケティングディレクターである高津さんが言う「動く交通広告メディア」という内容は考えさせられました。
また、商品認知から商品理解に消費者を向かわせるという流れの中で、テレビ等のマスメディアを補完する効果というものも非常に勉強になります。
どうしても広告というとインターネットに目を向けがちですが、もっとフリーペーパーも含めた街の中の広告に目を向けなければと思わされる面白い一冊でした。(ちなみに、街の中の広告といえば、隙間広告社かもしれませんが…社歌は必見です。)
勝間本ならぬ勝間特集の週刊ダイヤモンド、勝間和代さん流の知的生産向上のための仕事術が実に34ページにわたって特集されています。
早速やってみた自らのグーグル化自己診断テスト。項目AのIT活用度は5であった一方、Bの情報整理、Cの情報発信・人脈構築、Dの生活習慣・時間管理になるに従い低い数字になる結果に反省。(でも、オフィスワークが続く場合は、間食したくなりますって…)
また、記事の内容では、「マッキンゼーで教わった情報整理の『イノハのイ』」が印象的。
情報整理の基礎技術として「情報の空・雨・傘理論」と「ピラミッドストラクチャー+MECE」が挙げられていますが、とりわけ前者が勉強になります。
- 空が曇ってきた(=情報認識)
- 雨が降りそうだ(=解釈)
- 傘を持っていこう(=行動)
とあらゆる情報は整理できるとの考え。これは自分が話す時はもとより、人の話を聞いてまとめるのに便利に感じましたので、さっそく使ってみたいと思います。
その他では、P46-P47にある「勝間が選んだ良著50冊」とP58-P61「私の知的生産術」の系譜が面白いです。両方のリストを合わせ、7冊しか読んでいない(それも最近読んだ本がほとんどない)ので、気になった以下の五冊
- 統計数字を疑う なぜ実感とズレるのか?
- 投資の科学 あなたが知らないマーケットの不思議な振る舞い
- 本を読む本 (講談社学術文庫)
- ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる
- 問題発見プロフェッショナル―「構想力と分析力」
をまず読みたいと思います。
ちょうど何冊かAmazonで注文したばかりな上、たまっている本もあるのですが、おかげさまでワクワクさせられる時間が増えそうです。
勝間本も損がないかもしれないけど、勝間雑誌は予想以上にお買い得でした。ただ、Amazonで買うと色々と制約があると思うので、街の本屋がコンビニでどうぞ。
FONとlivedoor Wirelessの提携が発表されました。
CNET:フォン・ジャパンとライブドアが提携--FONユーザーがlivedoor WirelessのAPを利用可能に
個人的には通信畑出身ということもあり、ライブドアとUSENのタイアップの時代に無線LANとFTTHが連携したら面白いと思っていたのですが、最大7.2Mbpsのイーモバイルを初めとしたメガビットクラスのデータ定額制の普及が始まってしまった今となっては正直遅かったと感じます。正直、どこで電波を安定的に捕まえられるかわからないので、使いにくいという印象。
個人的には、Yahoo!の無線LANスポットを今でも継続的に使っているのですが、この場合「マクドナルド」という確実な利用スポットがあるから利用し続ける価値があると思うわけですが、今回の提携ではなかなかそういったスポットを提供するのかが今のところ疑問です。そもそも、無線LANの電波自体がそれほど安定しているわけでもありませんし。
山手線の内側に強いLD Wirelessと住宅地に強いFONの特徴が生かされるといえば生かされると思うのですが、やはり「確実に利用できる場所」という観点でいうと正直つらい提携なのではと思います。
もっとも、広告モデルと結びつき、店舗では一般的に利用できるようになれば話は別かもしれませんが…(そういうわけで、USENとの相性はよかったと思います)少し動向を見守りたいと思います。
先月のアキバが地球を飲み込む日に続いての秋葉原関係の一冊。前回がアキバ経済新聞という、言わば「地」からの視点に対し、本書は秋葉原クロスフィールド構想のプロデューサーである著者の「天」の立場からの一冊。
ただ、「天」といってもお役所的な「あるべき論」で語られるものではありません。アキバにオフィスを構え、フィールドワークや対話を重ねた上のプロデュースについて語られております。
内容としても非常にまっとうです。定性的な、地理的な特徴や「トンガリ続ける」場所としての存在意義を踏まえつつ、いかにして秋葉原をプロデュースしてきたか、ということや、今後どのようなことをしたいのかといった内容が書かれております。秋葉原はこういう街だから、このようなコンセプトでプロデュースしていくのがいいのでは、といったことは非常に良く理解できます。(本書の第二章第1節「秋葉原の特徴を掴む」等はなるほどなあと思わされます。)
ただ、納得するかは別の問題です。自分自身がこの数年アキバに足を向けていないというのが一番の問題なのかもしれませんが、結局の所、アキバが魅力的になって継続的に訪れたくなっているかというと、そうは思えませんでした。むしろ、限られた人たちが集ってくる閉鎖的な印象を、本書を読んだ限りだと受けてしまいました。
むしろ、個人的には、アキバには他の街での異種格闘技を積極的に行い、ポップでとがった街としての存在感をアピールして欲しい、そんなことを感じさせられる一冊でした。
まずは、近いうちにアキバを歩き回ることからかも知れませんが。
伊坂幸太郎の最新作、ハードカバーで約500ページに及ぶ大作。
首相公選制が採用された架空の日本、出身地である仙台で行われた凱旋帰郷パレードの最中、首相が暗殺されます。第一章「事件のはじまり」から第三章「事件から二十年後」まではいかにして事件がおきたかということや、いかに不思議な事件だったかといったことが、サイドストーリーとして語られます。謝辞にもあるのですが、ストーリーのモチーフはケネディアメリカ大統領の暗殺事件です。
そして、400ページ以上に及ぶ第四章がメインストーリー。主人公の青柳雅春が大学時代の旧友である森田森吾にいきなり呼び出される所から話は始まります。
青柳に対し、このままではケネディ暗殺事件(*1)の犯人とされているオズワルドになってしまうぞと森田は警告する中、遠くで爆音が聞こえ、首相暗殺事件が発生します。その後、青柳はいきなり警官に銃を向けられ、逃走を開始します。
連続通り魔を捕まえるお題目の元設置されたセキュリティポッドという監視システムの網の中、青柳は逃走を続けます。「人間の最大の武器は習慣と信頼」という森田の言葉を一つの拠り所にし、青柳は直接的、間接的に周囲の支援を受けつつ、強大な権力から逃走を続けていく青柳の姿、読んでいる側はどんどん引き込まれていきます。
途中に挟まれている過去のエピソードが見事な伏線となってストーリーが進み、物語はクライマックスを迎えることとなります。忘れてしまいそうなエピソードまでをきちんと組み込むストーリーはさすがだなあと思わされます。
小説自体の完成度としては、ラッシュライフやアヒルと鴨のコインロッカーの方が正直面白いのではないかと思います。ただ、「対峙しなければいけない得体の知れないもの」に対して、伊坂幸太郎と抱えている思いというものが、本書には現れている気がしました。
なぜそういうことを思ったかというと、宣伝会議の2月号の巻頭インタビュー(*2)において「贅沢なのは分かっているんですけど、伊坂幸太郎をやめたいなあ、と思うこともあります。バンドだったら解散」と等と今回の作品に至るまでの苦闘を語っている内容が推測の根拠だったりするわけですが、そのような思いを除いたとしても十二分に面白い作品でした。
貸してくれた24君、ありがとう。
*1 Wikipedia:ケネディ大統領暗殺事件
*2 立ち読みしただけなので、詳細は覚えていません。
今日は気になるニュースが何本かあったので、それらを紹介します。
NTTが通信関係のベンチャーに投資する100億円規模のファンドとしてNTTインベストメント・パートナーズファンドおw立ち上げたとのこと。NTTもベンチャー投資も仕事の一環で多少なりとも知っている身としては、これまたすごい組み合わせだというのが正直な印象。
NTT出身のベンチャーマンというのは結構いて、一度マイネット・ジャパンの上原さんとも宮崎で話して同じ印象をもっていたのですが、人としてはベンチャー企業との相性は決して悪くないと思っています。むしろ、NTTで社会人の常識を身につけた上で意識的にベンチャーに転進する場合が多いので(自分が身につけられたかは別として)、むしろ相性はいいと思っています。
ただ、組織としては、やはり難しい所があるのではというのが正直な印象です。そういった点で、ファンドの無限責任組合員として活動するよりも、別のファンドに出資する立場の方が向いているのでは、と感じてしまいました。
健康上の理由といわれておりますが、どうなんでしょうか?個人的には本を何冊か読ませていただき、そのバイタリティを素晴らしいと思ってるので、次の活躍を期待したいと思います。
5兆円規模とのことですが、実現するのでしょうか?もし実現したとしたら、次、Googleはインフラ系、もしくはAppleを買収しそうな気がします。(Appleを買収したら、OSとSearchの勢力が2分されるわけで・・・)
単純に、MSのOS上のスタートページが全てYahoo!になるだけでも、相当のインパクトがありそうな気がします。今後が気になりすぎるニュースです。
朝日、読売、日経の三新聞の合同サイト、「あらたにす」。発表当初は「any」と呼ばれていた記憶がありますが、また、すごい名前で始まったなあという印象。
ブログやはてなブックマークを見てみると「RSSがない」を中心に、結構な言われようですが、早速サイトをチェックしてみると、これはこれでありだなあと思いました。
個人的によかったのは一目見て情報が目に入ってくる(印象がある)ことと、各誌の書評コーナーが独立したコーナーとして存在していること。
前者に関しては、世の中の流れを「つかむ」という点で良くできていると思いますし、後者に関しては、面白い本に出合える可能性が増えたという点(なんだかんだいって、新聞の書評で取り上げられる本にハズレな少ないです)で個人的には評価できると思います。
特に前者の「つかむ」というのが個人的には意味のあることだと思ってます。自分自身毎日通勤中に日経新聞を読んでいるわけですが、必ずしもまんべんなく情報を拾っているかというとわからないというのもあります。かといって、Yahoo!ニュースに代表されるネット上の情報では、無意識のうちに自分の好みに左右されてしまっていて、対局をとらえる形で情報を得ているか微妙だと思うことがあります。
その点で、この体裁であれば、おおまかな世の中の情報はつかみやすいと思い、好感を持ったわけです。
元々物事を比較する癖や新聞を読む習慣があるからかもしれませんが、ネーミングはともかく、この体裁は考えられているなあと思います。
もっとも、継続的にサイトを使ってみなければ評価はできないのですが、まずは好印象ということで、今後も使い続けてみたいと思います。