書評:交渉力/団野村

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 ポイントが絞られている上、200ページ弱と短く、短時間で読めてしまうので最近気に入っている角川oneテーマ21。年末年始に選んだのは、先日の巨人軍論に引き続き、野村シリーズ(血はつながっていないけれど)プロ野球のエージェント団野村氏による「交渉力」。

 実際、話題になった過去のメジャーリーグ移籍の舞台裏が書かれている点で非常に面白い。

 とりわけ、1994年末から1995年にかけて話題となった野茂英雄の「任意引退」という盲点を突いたドジャースへの移籍については、細かく書かれていて引き込まされる。

 例えば、野茂と団野村がとった戦略は、「複数年契約」が第一優先で、その後が「任意引退によるメジャーリーグ挑戦」という選択肢だったということ、また、「任意引退」を口にするのは球団からにさせたこと、並びに、球団が翻意して複数年契約を提示する可能性を残すために公表までの冷却期間をお互い置こうとしたことといったことが書かれている。

 さらに、交渉に当たっては、日米の野球協約を事前に調べ、「日本での任意引退」が米国でのプロ契約に支障がないことを確認していた内容についても用意周到で、思わずうならされる内容(現在は改訂されている)。

 その他の伊良部やソリアーノについての代理人の例等を非常に面白く、短時間でさっと読めてしまう一冊。

 なお、本書のテーマである交渉力については、第5章で以下の八ヶ条にまとめられている。

  1. 市場を知る
  2. 複数のプランを用意し、ほのめかす
  3. 相手の話を聞き、猶予を与える
  4. 約束したことは必ず書面にする
  5. 口約束は信用するな
  6. 怒るときは冷静に
  7. ネットワークと正しい情報を得るためには自ら動く
  8. 絶対に諦めない

 先日のエントリーの「ハーバード流交渉術」と比較すると、理論と実践で少し違いがありそうな印象をうける反面、情報収集し、選択肢を作る、人の話を聞くといったあたりのことは当然ながら普遍的なものだと実感させられる。といっても、当たり前といえば当たり前のことなんだけども・・・。

 結局、大事なものは普遍的って事なんでしょう。

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HN:decchy
大手通信会社でエンジニア・営業経験を積んだ後、IT系ベンチャー企業に転職、 営業・企画・PR等を行うマネージャー業務を担当し、 2008年の東京インタラクティブ・アド・アワードに入賞する等の実績を残す。
現在はプライベートエクイティに転職し、投資業務並びに経営支援、新規事業開発支援業務に従事中。

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